中小企業は原価管理で利益をあげよう
利益をあげるためには
企業が利益を上げるためには、3つのことしかありません
1.売上を増やす 非常に重要な取組ですが,すぐには効果が上がらない取組です
2.粗利率を良くする 販売価格を上げる、原価を下げるという取組になります。
3.経費を下げる 自社ですぐにできる取り組みです。下げた経費の分がそのまま利益になります
原価を下げる取り組みが、原価管理ですが、中小企業ではなかなかこの取組ができていないのが現状です。
原価を下げる取り組みを行うことにより、売上はそのままでも、固定費はそのままでも直接利益につながりますが、どのようにすれば原価管理ができるのかが難しいため、なかなかできていません。
一旦原価管理の仕組みができると、利益管理ができるようになりますので、中小企業が利益をあげるために重要な取組となります。
忙しいのに、なぜ利益が出ないのか?
忙しいのに、なぜ利益が出ないのか? といった声をよく聞きます。
特に下請けの製造業やBtoBで安定した受注のある企業の場合によく聞く話です。
つまり、忙しいのに資金繰りが厳しく、決算の時に利益が出ていないことに気づくといった例です。
・儲かっていると思ったのにもうかっていなかった
これは、原価計算ができていないと儲かっているのかわからないからです。
・売価ダウンの依頼があったが、どこまで下げられるかわからない
こ場合には、原価計算ができていないと、言うなりになるしかないということになります。
・適正価格がわからない
見積価格や、取引先の希望価格が果たして適正価格なのかわからないと、取引先との価格交渉で不利になってしまいます。
・どの注文が儲かっていいるのかわからない
どの注文がもうかっているのかわからないと、どの取引先を大事にすればよいのかの判断ができません。儲からない仕事ばかりやっていれば、利益は出ません。
・現場は忙しいのに、利益が出ていない
一生懸命仕事をすれば利益がついてくる時代ではなくなりました。現場が忙しくても利益が出ていないこともあります。原価管理をすることにより、どうして儲からないのかわかるようになり、どうすればよいかが分かるようになります。
このように、製造の原価は原価計算をしないとわからないのです。
原価計算ができないと
原価計算ができないと
・見積もり計算がどんぶり勘定で不正確
・適正価格がわからないので、安い価格で仕事を受けてしまう
・何を売れば、作ればもうかるのかがわからないので、何を優先的に売ればよいのかわからない
・原価低減ができない
・生産戦略、経営戦略に活かせない
・設備投資をする際に、回収ができるのかなどの評価ができない
つまり、利益を上げることができません。
原価計算ができると
原価計算ができると
・利益の出ない注文を受けずに済みます
・利益の出る仕事をくれる取引先を大切にすることができ、的確な意思決定・経営判断ができるようになります。
・材料費高騰などの外部要因があれば、それを価格交渉で説明ができます
・コスト分析をすることにより、コストダウンができます
・このように原価管理の仕組みができると、利益管理ができるようになります
なぜ原価計算ができないのか
それでは、なぜ原価計算ができないのかについて考えてみましょう
・原価計算は企業毎の都合に合わせて計算する必要があるため計算が難しい
・原価計算をするためには生産と会計の知識が必要なため、そのような人がいない
・原価計算のための情報収集をすると現場に負担がかかるため、できない
などの問題があります。
そのため、
・原価計算にコストをかけない
・現場に負担を掛けないような運用が必要
・できる範囲で原価管理の仕組みを考えて導入する必要がある
原価計算にたけた人材がいない中小企業では、原価計算を行うには中小企業診断士などの専門家の支援が必要になります
原価管理と原価計算については、次のコラムを参照してください。