小規模事業者持続化補助金(一般型) その2

補助金活用

こんにちは、中小企業診断士の長谷川です。

本日経済産業省から、小規模事業者持続化補助金の更なる拡充についての発表があり、すでに募集要項も改訂されています。

1.「特別枠(類型B又は類型C)」の補助率の引き上げ
類型B(非対面型ビジネスモデルへの転換)と類型C(テレワーク環境の整備)
補助率を2/3から3/4へ引き上げ

(特別枠の対象事業の類型)  ※3補助金共通
類型A   サプライチェーンの毀損への対応 補助率  2/3
類型B   非対面型ビジネスモデルへの転換 補助率  2/3 → 3/4
類型C   テレワーク環境の整備       補助率  2/3 → 3/4
2.「事業再開枠」の創設
ガイドライン等に沿った感染防止対策の投資に対して、新たに定額補助・補助上限50万円の別枠(事業再開枠)を上乗せ

(事業再開枠の支援内容)
補助率:定額補助(10/10)
補助上限:50万円(又は、総補助額の1/2まで)
対象者:持続化補助金(特別枠・通常枠)、ものづくり補助金(特別枠)の採択者
対象経費:業種別ガイドライン等に沿った感染防止対策の経費
(例:消毒、マスク、清掃、間仕切り、換気設備等の費用)
※39県で緊急事態宣言が解除された5月14日以降に発生した経費が対象

中小企業生産性革命推進事業による「事業再開支援パッケージ」を策定しましたより抜粋

補助率 2/3 → 3/4 は朗報です。


前回に引き続き、小規模事業者持続化補助金の活用についての説明です。

審査内容(採点する項目)

公募要領をよく読めば、申請書の事業計画内容がどのような観点で審査されるのかについて分かるのですが、公募要領の中身が70ページ以上となっているため、審査の観点というページを読んで申請書を書いている事業者は少ないようです。

どうせ補助金を申請するのであれば、できるだけ採択されるようにしたいですから、このページに従って、申請書を見直してみましょう。
逆に、この審査の観点を意識した申請書を書けば、より採択される確率が高くなります。

下記に公募要領の審査の観点をまとめました

基礎審査
 ・補助対象要件を満たしているか
 ・補助事業をに必要な能力を有すること
 ・事業者が主体的に活動技術やノウハウ(強み)を基にした取組か

加点審査
①自社の経営状況分析の妥当性
 ・自社の製品・サービスを把握しているか。(自社製品サービスの説明、分析)
 ・自社の強みを把握しているか(SWOT分析、他社競合分析)

②経営方針・目標と今後のプランの適切性
 ・自社の強みを踏まえた経営方針・目標、プランになっているか
 ・対象とする市場の特性を踏まえているか(市場分析、マーケティング)

③補助事業計画の有効性
 ・具体的な計画か(数値化目標、実施体制、実施スケジュール
 ・実現可能性は高いか(費用対効果、売上見込根拠
 ・経営計画の今後の方針・目標を達成するために有効か(経営計画との関連性
 ・補助事業計画は創意工夫がされているか。(差別化、優位性、革新性、新規性
 ・ITを有効に活用する取り組みが含まれているか(IT活用

④積算の透明・適切性
 ・事業費の計上・積算が正確で事業実施に必要なものか

加点項目

公募時の政策に合致した項目について、加点があります。
加点の程度は不明ですが、多くの申請書の審査点数は採択ぎりぎりのところに集中していると思われるため、この加点があるかないかで結果が大きく左右されます。
従って、事業計画などがこれらの加点項目に合致するかを検討した方がいいです。
逆に、加点項目が一つもないと採択確率が減ることも考えられます。

新型コロナウイルス感染症による影響
 新型コロナウイルス感染症による経営上の影響を受けている事業者

賃上げ計画 賃上げ計画を有し、従業員に表明している事業者

事業承継の円滑化・後継者候補が中心となって補助事業を実施する満60歳以上の事業者・後継者が中心となって補助事業を実施する事業者
生産性向上に向けた取組
経営力向上計画の認定を受けている事業者

◆過疎地域における販路開拓
・過疎地域自立促進特別措置法に定める過疎地域で地域経済の発展につながる取り組み

減点項目◆過去の補助事業の実施回数に応じて減点調整

新型コロナで売上が減少している事業者であれば、賃上げ計画などは難しいかも知れません。
しかし、事前に経営力向上計画の認定を受けておくことなどは、補助事業の事業計画を会社の中期計画として位置付ける意味でも、加点を受ける意味でも有効だと思われますので是非事前に認定を受けておくようにしましょう。

次回は、引き続き採択されやすい申請書や、申請書の書き方などについて説明したいと思います。

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