小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>助成率3/4に

補助金活用

こんにちは、中小企業診断士の長谷川です。
5月18日に小規模事業者持続化補助金のコロナ特別対応型についてざっと紹介しました。

こちら →  令和2年度 小規模事業者持続化補助金

5月22日に、経済産業省から「中小企業生産性革命推進事業による「事業再開支援パッケージ」を策定しました」との発表があり、小規模事業者持続化補助金の補助率改定と事業再開枠で50万円を上限とした感染防止対策投資への50万円の別枠(事業再開枠)が新設されました。

改訂ポイント

「持続化補助金」、「ものづくり補助金」、「IT導入補助金」など生産性革命推進事業の補助事業の支援内容を拡充し、また「事業再開支援パッケージ(別紙参照)」を策定しました。
1.補助率の引き上げ
  類型B(非対面型ビジネスモデルへの転換)及び 類型C(テレワーク環境の整備)の補助率の引き上げ   ※3補助金共通

  • 類型A   サプライチェーンの毀損への対応     補助率  2/3
  • 類型B   非対面型ビジネスモデルへの転換     補助率  2/3 → 3/4
  • 類型C   テレワーク環境の整備        補助率  2/3 → 3/4

2.「事業再開枠」の創設
中小・小規模事業者の事業再開の努力を強力に後押しするべく、「持続化補助金(特別枠・通常枠)」「ものづくり補助金(特別枠)」において、ガイドライン等に沿った感染防止対策の投資に対して、新たに定額補助・補助上限50万円の別枠(事業再開枠)を上乗せ

  • 補助率:定額補助(10/10)
  • 補助上限:50万円(又は、総補助額の1/2まで)
  • 対象者:持続化補助金(特別枠・通常枠)、ものづくり補助金(特別枠)の採択者
  • 対象経費:業種別ガイドライン等に沿った感染防止対策の経費
    (例:消毒、マスク、清掃、間仕切り、換気設備等の費用)

持続化補助金のコロナ特別対応型の受付締切が第2回目が6月5日となっていたものが、第3回 8月7日、第4回 10月2日の2回分が追加されています。

公募要領や、申請様式も5月22日版に改訂されていますので、最新の様式をダウンロードして申請書を作成して下さい。

新型コロナ特別対応型の事業計画書の書き方

従来の小規模事業者持続化補助金(一般型)の事業計画書は記載する内容が多く、市場動向、自社の強み、経営方針などを踏まえ、しっかりした事業計画書とすることが求められていましたが、新型コロナ特別対応型の計画書は、記載項目が簡略化されています。

審査の観点を見てみると、審査項目も簡素化されているため、これらの審査項目に合致していれば、きっちりした事業計画でなくても採択される可能性があるので、ねらい目かも知れません。

計画書の記載内容

計画書には次のような内容を記載すると、書きやすくなります。

1.新型コロナウイルスの影響を乗り越えるための投資の類型(該当する類型を、一つ以上選択)

□A:サプライチェーンの毀損への対応
□B:非対面型ビジネスモデルへの転換
□C:テレワーク環境の整備

A,B,C いずれかの取組が含まれている必要があります。
4.の今回の申請計画で取り組む内容が、A,B,Cの取組として公募要領に記載してある類型に沿ったものでないと、対象から外れます。
これに該当しない取り組みの場合には、一般型の持続化補助金を申請しましょう。

2.事業概要(自社の概要や市場動向、経営方針等を記載ください)

<自社の概要>  沿革、事業内容、従業員規模、立地地域性、事業別売上、自社の商品・サービス、自社の強みなどについて書いてください
<市場動向>   事業の市場規模、市場動向、ターゲット顧客層、顧客ニーズなどについて記載してください。
<経営方針>   自社の経営理念・経営方針、将来のありたい姿、中長期計画などについて記載してください。

3.新型コロナウイルス感染症による影響(売上減少等の状況について記載ください)

この部分と、次の4.今回の申請計画で取り組む内容は、今回の計画書で重要な部分です。
<新型コロナウイルス感染症による経営上の影響>
従来事業(既存事業)において新型コロナの影響で、経営上の悪化があったのかについて説明してください。 売上何%減とか、1か月間の休業となったとか、来客が半分以下になったとか、経営上の影響について記載してください。
<課題>
新型コロナの影響で、従来からの対面型ビジネスだけでは、今後も売上の回復が見込めないとか、在宅勤務でコミュニケーションが取れないとか、今後もリモートで営業ができるように工夫する必要があるとか、ネット販売などの非対面型ビジネスへの転換が必要になったとか、これから取り組もうとしている補助事業を考えるきっかけになったことを書くと、ストーリーが理解されやすいと思います。

4.今回の申請計画で取り組む内容

【事業名:30 文字以内で記載】
【計画内容】
販路開拓として取り組む内容を書くのですが、
1.A,B,Cのどの類型に沿った取り組み内容なのか、3.の課題を解決するための取組となっているのかについて、記載する必要があります。
2.取り組みが2種類、3種類あれば、別々に記載した方がわかりやすくなります。
また記載した取り組みと経費明細の内容が対比できるように意識して具体的に取組内容を説明します。
できれば、取り組みを行う内容が、自社の強みを活かした取組であることや、創意工夫した点などがあれば、それも記載した方が有利となります。
<実施スケジュール>
それぞれの取組の中身を分解してどのような日程で取り組みを進めるのかを記載します。
<実施体制>
どのような実施体制(役割分担)で補助事業を行うのかを記載します。
実施スケジュールと実施体制は、この取り組みが実際に実施できるのか(実現可能性)がわかるように意識してください。

5.新型コロナウイルス感染症を乗り越えるための取組の中で、本補助金が経営上にもたらす効果

それぞれの取組に対して、経営課題を解決する効果がどのようなものかについて説明します。
定性的な効果だけでなく、できるだけ定量的な効果が望ましいです。
また、特にコロナの影響による経営課題を解決する取り組みであることを強調した方がよいでしょう。
・売上の増加  算出根拠と共に記載(客数✖単価✖リピート率)
・新規顧客獲得 目標値でもいいので、どの程度の新規顧客を獲得できるのか
・新市場の開拓 新たな市場を創造できれば非常に効果があるということになります
<投資回収>
補助事業にかけた投資が何年で回収できるのかなど、回収が確実にできることを記載します。
<間接的な効果>
地域活性化、地域貢献、業界としての新たな取り組み、新市場創造など間接的な効果がもしあれば記載した方がいいでしょう。

経費明細総括表

 補助事業に必要な経費について、その内容とそれが必要な理由がわかるように記載するので、その内訳についてもできるだけ細かく記載してください。
ここでのポイントは、各経費が新型コロナの影響による経営課題を解決する取り組みにとって、必要不可欠だということがわかるように書くことと、そのうちのコロナ関連投資額に相当する経費については、それがA,B,Cの類型に沿ったものであることが分かるように記載してください。

まとめ

今回の新型コロナウイルス特別対応型の補助金は、第3回目、第4回目と追加されましたので、これに該当する取り組みを考えている方は是非チェレンジしてみてください。
予算は十分にとっていると思われますので、コロナの影響で経営上の課題があり、それを乗り越えるための投資であることが明確であれば、採択される可能性が高いので、是非チャレンジしてください。