当サイトでは、5月1日に雇用調整助成金の簡素化についての記事を書きました。
→ 雇用調整助成金の申請が簡素化されました。(5月1日)
雇用調整助成金申請の課題
この記事で、今まで評判の悪かった、厚労省が小出しにしてきた雇用調整助成金の拡充と複雑な申請書類について、申請書類の簡素化でようやく事業者でも助成金の申請ができるようになったと、評価しました。
また、さらなる課題として
1.申請から支給までの期間が長い
2.申請書類が揃っていないと受け付けてもらえない
3.申請窓口が混んでいて、なかなか相談できない
4.いくら助成率を上げても、日額 8330円で上限がある
などがあるとも記載しました。
支給申請 究極の簡素化
その後、5月6日に小規模事業主については助成額の算定方法をさらに簡素化することが発表され、ようやく5月19日にその内容が明確になりました。
この簡素化により、小規模事業主の場合には、さらに助成金の申請が簡単になりました。
良くなったところは、
1.計画届の提出が不要になった
事後提出を認めるのなら、もともと不要ということだと思います。
2.小規模事業主(従業員が概ね20人以下)の場合には支給申請が簡単
・助成金算定が簡単になりました。
助成額=(実際に支払った休業手当額) ✖ (助成率)
平均賃金(源泉所得税納付書により算定可)と所定労働日数の算定方法を簡素化
・支給申請マニュアルが用意され、支給申請がわかりやすくなった
これに従って支給申請をすれば、簡単に申請書が書けるようになりました
3.添付資料に就業規則、給与規定、労働条件通知書が必要との記載がなくなった
小規模事業主の場合には、就業規則や給与規定などの規定にないところが多いため、この記載がなくなっています。従業員10名以上の事業所では就業規則を定める必要がある訳ですが、実際には就業規則が古くて実態に沿っていない場合が多いものと思います。
4.オンライン申請が可能になった(現在システム不具合により稼働していません)
厚生労働省のホームページをチェック
詳細は厚生労働省の、雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)のホームページを参照してください。
このホームページは、以前からの小出しにしてきた拡充策、簡素化などが一緒に記載されているため、どれを見れば最新の情報なのかが、わかりにくくなっています。
5月25日時点では、以下の部分が最新情報になります。
○雇用調整助成金とは?(リーフレット「はじめての雇用調整助成金」)
厚生労働省ホームページより抜粋
○小規模事業主の方については、支給申請が以前よりも簡単になりました。詳しくは、リンク先のページをご確認下さい。
○「雇用調整助成金オンライン受付システム」はシステム不具合発生のため、稼働を延期いたします。
大変ご迷惑をお掛けいたします。(令和2年5月20日 12:30掲載)。
・雇用調整助成金ガイドブック(簡易版)(5月22日現在版)
・雇用調整助成金FAQ(5月11日現在版)
まとめ
今回の簡素化で、本当に多くの小規模事業者が自力で雇用調整助成金を申請できるようになりました。
特に、小規模事業主向けの支給申請マニュアルの作成などは、非常に分かりやすく、厚労省もスピードを持って対応してきたものと思います。
さらに上限8330円の課題についても15000円程度に改善されるようですので、厚生労働省の担当の方も対応が大変でしょうが、多くの中小企業がこれらの支援策で救われるようにお願いしたいと思います。